2016年に相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者19人が殺害された事件から26日で10年となるのを前に、神奈川県などは25日、市内の施設で追悼式を開いた。黒岩祐治知事は式辞で、共生社会の理念を広め「差別や虐待のない安心な社会を実現する」と決意を込めた。
「市立あじさい会館」で開かれた追悼式には知事や上野賢一郎厚生労働相の他、事件の遺族や園関係者ら約190人が出席。永井清光園長は「どんなに重い障害があっても一人一人に感情も意思もあり、心が生きている」と追悼の言葉を述べ、思いやりのあふれた社会になることを祈った。
追悼式では亡くなった19人の人となりも紹介された。「満開の桜の中で甘酒を楽しんでいた」「夜空を彩る花火を仲間と一緒に見上げていた」「大みそかの年越しそばを楽しみにしていた」。黒岩知事が「あなたがたのことを決して忘れません」と締めくくった。
追悼式は近年は7月26日に園で開かれてきたが、県は今回、遺族にとって命日となる日を避けて別の施設で実施することを決めた。26日には園で一般の人向けに献花を受け付ける。
事件後、現場となった園の建物は取り壊され、県が21年に居住棟などを再建した。園の広場には献花台や鎮魂の碑で構成するモニュメントが設置され、犠牲者19人のうち、遺族が同意した11人の名前が刻まれている。
事件は16年7月26日未明に発生し、入所者の男女19人が殺害され、職員を含む26人が重軽傷を負った。(共同)

