【釜山共同=狗飼誠】韓国で開かれている国連教育科学文化機関(ユネスコ)第48回世界遺産委員会は26日、飛鳥時代の天皇の宮殿跡や高松塚古墳、石舞台古墳など19遺跡で構成する「飛鳥・藤原の宮都」(奈良県)を世界文化遺産に登録すると決めた。中国や朝鮮半島との緊密な交流を反映し、中央集権体制を基盤とした東アジア古代国家が成立した過程を証明していると高く評価した。長年の発掘調査の成果も重視した。

国内の世界遺産登録は2024年の「佐渡島の金山」以来2年ぶり。登録総数は27件目で、内訳は自然遺産が5、文化遺産が22となる。

飛鳥・藤原は、明日香村、橿原市、桜井市に点在する6世紀末から8世紀初頭までの遺跡群。主な遺跡は、大化の改新で「乙巳の変」の舞台となった飛鳥宮跡▽日本初の本格的都城・藤原京の中心だった藤原宮跡▽極彩色壁画「飛鳥美人」で知られる高松塚古墳▽朱雀など四神図や天文図が描かれたキトラ古墳▽巨石が組まれ、蘇我馬子の墓との説がある石舞台古墳-など。

世界遺産委は登録決議で、大陸や朝鮮半島との交流と仏教伝来を示し、平城京、平安京など後代に大きな文化的影響を与えたと指摘。考古学的な発掘調査が十分に行われ、構成資産の選択や保全状況も適切で、登録の評価基準を満たすとした。

一方、修復のため古墳から取り出された高松塚、キトラ両古墳の壁画について、将来的に古墳内に戻すための研究を継続するよう勧告した。

構成資産は全てが国の特別史跡か史跡、陵墓に指定されている。歴史的風土の保全を図る「明日香法」で明日香村全域の開発行為が規制されるなど、手厚い保護も登録を後押しした。

2007年に推薦の前提となるユネスコ暫定リストに記載され、25年に政府が正式推薦。ユネスコ諮問機関が今年6月に登録を勧告した。奈良県内の世界文化遺産は4件目で、都道府県別では最多となる。