国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産への登録を目指して政府が申請した「書道」について、ユネスコ評価機関が近く登録の可否を勧告する。登録勧告が出れば、11月30日~12月5日に中国の福建省アモイで開かれるユネスコ政府間委員会で登録が正式に決まる見通し。国内の無形文化遺産は「和紙」「和食」など23件あり、書道が認められれば24件目。勧告内容が注目される。

文化庁によると、ユネスコによる勧告期限は日本時間11月3日午前とされるが、実際にいつ勧告が出るかは不明という。

書道は、筆や墨、すずりなどを用い、伝統的な筆遣いや技法で漢字や仮名を手書きする文字表現。手紙や正月の書き初め、冠婚葬祭の際の署名など日常生活のさまざまな場面で用いられ「日本人の暮らしに深く根差した社会的慣習」として政府が2024年に登録を申請。25年に再申請した。

書道の歴史は古い。6世紀ごろの仏教伝来をきっかけに経典の書写などが始まり、平安時代になると日本独自の書風が発展した。漢字を崩した仮名も生まれ、和歌や物語文学とともに広まったとされる。

文化庁は21年、書道文化の保存・継承に向け、国の登録無形文化財に「書道」を登録。同年には書家らでつくる「日本書道文化協会」が設立され、ユネスコへの登録活動に取り組んできた。

ユネスコ評価機関による勧告は「登録」「不登録」、追加情報を求める「情報照会」の3類型がある。審査では勧告内容を尊重するのが通例で、登録勧告が出れば登録はほぼ確実となる。

総務省が公表した21年の「社会生活基本調査」によると、全国で10歳以上の人のうち、過去1年間に書道をした人は推計381万4千人いるという。