SNSの情報発信に詳しいウェブメディア評論家の落合正和氏は、政治家のSNSの利用について「有権者に直接、生の声を伝えられる有効な手段」と話す。SNSではリアルタイムで伝えられる。「政治家は自分の発言を編集されたくないと思うようになり、有権者もSNSで生の声が聞けると思っている」。

 「選挙ではSNSで支持を集めた政治家が当選するケースも増えてくる」とみる。一方で、リスクも大きい点も指摘する。「間違った内容を発信すると、本人の声だけに取り返しがつかない。短期決戦の選挙時は致命的だ。限られた場所での失言なら、大人数に知られずに済むこともあるが、ネット上では大量に拡散する」と話す。

 アカウントの乗っ取り、なりすましの危険度は、大統領だろうが一般人でも変わらない。危機対策はパスワードを難解にし、頻繁に変更するしかない。国家安全保障、世界経済を左右するような発言が、偽物だった場合、世の中は大きな混乱を招く。「本人ではなく、秘書に投稿を任せる政治家も多い。秘書が誤って、自分の意見を投稿してしまう事案も出てくるのでは」と指摘していた。

 ◆落合正和(おちあい・まさかず)千葉県柏市出身。一般企業就職後、07年に独立。現在はoffice ZERO-STYLE代表取締役。ネットメディア専門家、コンサルタントとして各種メディアで解説するほか、講演活動も行っている。著書に「初めてのFacebook入門」。