学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設計画問題で、文科省の前川喜平前事務次官は23日、日本記者クラブで会見し、「安倍首相が先頭に立って説明責任を果たしてほしい」と求めた。文科省の再調査で特区担当と内閣府のやりとりを記録した文書の存在を文科省が公表したことには「松野博一文科相も苦しい中で精いっぱい誠実な姿勢を示した。一定の説明責任を果たした」と評価した。

 一方で萩生田光一官房副長官の発言概要として文科省が20日に公表した文書について、「書かれた内容は事実ではないかと思う。書いた課長補佐を知っているが極めて優秀。あえて虚偽も書かないし、聞き間違えはまずない」とした。

 問題のキーパーソンとして、和泉洋人首相補佐官の名前を挙げ「情報発信源。全体のシナリオを書いて統括したのでは」とし「文科省から出てくる文書はどこまでいっても文科省の文書。次は内閣府の調査が必要だ」と話した。

 メディアと権力のあり方にも「非常に不安」と指摘した。読売新聞の先月22日の「出会い系バー」報道について「官邸の関与があったと思っている」。この問題について最初にインタビューを受けたのはNHKからだとし、「いまだに放送されていない」とも話した。番組のコメンテーターには「官邸の擁護しかしない人もいる。森友問題もそう。性犯罪がもみ消されたとの疑惑を持たれている人もいる。自浄作用を期待したい」と話した。