安倍晋三首相が、東京都議選(7月2日投開票)最終日の7月1日、今回の選挙戦では初めて、街頭で演説を行うことになった。自民党が30日、発表した。

 ラスト遊説の場所は、東京・秋葉原。首相にとってアキバは、12年9月に党総裁に復帰後、圧勝を続けてきた国政選挙で最終遊説の場に選んできた。首相や自民党の支持者を中心に、1万人規模の聴衆が集まり、首相にとっては、勝利への「聖地」と位置づける場所だ。

 都議選をめぐっては、首相の「お友達」が次々に登場する加計学園問題や稲田朋美防衛相の応援演説での失言、豊田真由子衆院議員のパワハラ問題など、自民党に逆風となる出来事が続発。自民党は、厳しい戦いを強いられているとされる。

 これまで各種選挙では、積極的に街頭演説に立ってきた首相も、今回は相当消極的。選挙戦中、6月26、28日と、きょう30日の3回、自民党候補の支援者が小学校の体育館に集まった集会で約15分、自身の実績アピールを中心に、あいさつしてきただけだ。

 首相としては、自身のシンパが多く集まる「聖地」での最後のお願いで、情勢の挽回を目指したい意向とみられる。一方で、多くの人が集まれば、首相に批判的なヤジが飛び交う可能性もある。

 アキバは、東京都千代田区にある。都議選で同区には4人が立候補しているが、「都議会のドン」と呼ばれた自民党・内田茂氏の後継と、小池百合子都知事が擁立した元秘書が激突。昨年の都知事選、今年2月の千代田区長選に続き、3度目の「ドンVS小池氏」代理戦争の場にもなっている。