東京都の小池百合子知事が９日、豊洲市場（江東区）を訪れ、豊洲地域住民の見学会に参加した。豊洲住民に直接面会したのは初。小池氏は「豊洲市場のすばらしさをアピールして、地域の誇りにしていきたい」と語りかけた。

　しかし、住民は一様に「拍子抜けした」とがっかりした様子。時間は３０分にも満たなかった。豊洲町会の小安勤会長は「中身がなく残念。築地市場の業者にしたように一問一答での説明会を開いて」と語った。

　豊洲北小学校の浅見純一郎ＰＴＡ会長は「私立中で区外に出ている子どもたちは、豊洲出身ということで『おまえのところの水、飲めるのか？　住めるのか？』といじめを受けている」と訴えた。

　また、豊洲市場内で計画されている観光拠点「千客万来施設」の事業者「万葉倶楽部」（神奈川県小田原市）が、築地再開発の内容によっては事業からの撤退を示唆している問題について小安会長は「小池さんにしっかり整備してとお願いしたが、反応がなく会話にならなかった」と肩を落とした。