希望の党の小池百合子代表(65)から同党創立メンバーの刺客を放たれた石原伸晃氏(60=東京8区)と石原宏高氏(53=東京3区)。兄弟は必死の選挙戦を続けている。宏高氏への刺客は、03年以来、同区で14年にわたって2勝3敗の激戦を演じてきた松原仁氏(61)。党は替わっても、変わらぬ「たたかう庶民派」の旗印で勝負している。

 宏高氏の03年初出馬からの勝敗は、●○●○○。松原氏との恒例の一騎打ちは今回、松原氏の希望の党入りで新たな展開に入った。民進党都連会長として都議選で小池氏と対立した松原氏が、離党して小池氏と戦うことについて、宏高氏は「選挙目当てに政党を替わるような政治家にこの国を任せるわけにはいかない」と強い口調で批判する。

 対する松原氏は13日と、選挙戦唯一の日曜日だった15日に、小池氏と演説。党は替わっても変わらぬ「たたかう庶民派」ののぼり旗を掲げた。「坂本龍馬は薩長を結びつけた。野合ですよ。野合だが、明治維新の原点となった正しい野合だった」と、今回の政治行動を説明。「太陽は東から昇る。リンゴは木から落ちる。政治は腐敗する。50年続いた政権で改革能力を失った自民党にだまされちゃいけない」と訴えた。

 宏高氏が優勢との報道もあるが、96年から東京3区を細かく回ってきた松原氏は地域で「仁ちゃん」と親しまれ、支持は根強く、横一線の情勢調査もある。これに対し、宏高氏は選挙区内をスタッフ数人と徒歩で遊説する「ステルス遊説」を展開。実地の政策を詳細かつ具体的に説明し、「こういう細かいことを1つ1つ積み上げているのが自公政権。にわか仕立ての政党、変節の政治家には任せられない」と力を込めた。