衆院選の投開票を明日22日に控え、宮城県南三陸町が多重選挙の準備に追われている。県知事選、町長選、町議選が元々予定されていたが衆院選の小選挙区、比例区、最高裁裁判官の国民審査が新たに加わった。町議選は定員に満たず無投票になったが、同町選管は20日、本格的に投票所の設営に入った。

 選管によると、地方選挙3つが重なった経験はあったため、その分の備品は足りていた。そこに衆院選で3種類の投票箱が必要となり、投票所13カ所、期日前投票所5カ所に約50個、新規購入。日本選挙センターのホームページによると、投票箱1つが3万円以上するものが多く、約150万円以上かけたことになる。記載台も追加購入した。

 選挙人名簿登録者数は1万1558人(16日現在)。用紙5枚に記入し、投票箱に入れる作業で混乱が生じないようスタッフ数も通常の約1・5倍で対応。他の自治体から東日本大震災の復興応援で派遣されている職員も加わるという。

 同町の平地部分は甚大な津波被害に遭い、復興半ば。投票所の大半は安全面を考慮し、高台にある施設に整備している。震災前は二十数カ所あった投票所も昨年までは9カ所に減っていたが今回、新たに4カ所増えた。【三須一紀】