将棋の羽生善治棋聖(47)が5日、史上初の「永世7冠」を達成した。第30期竜王戦7番勝負第5局(鹿児島県指宿市「指宿白水館」)の挑戦者として3勝1敗としていた羽生は、渡辺明竜王(33)を下してタイトルを奪還した。これで通算7期目の竜王獲得となり、「永世竜王」の資格規定(連続5期または通算7期)を満たし、その称号を得た。

 羽生はすでに「永世名人」(通算9期、資格は通算5期)「永世王位」(通算18期、資格は連続5期か通算10期)「名誉王座」(この永世称号、通算24期、資格同じ)「永世棋王」(通算13期、資格は連続5期)「永世王将」(通算12期、資格は通算10期)「永世棋聖」(通算16期、資格は通算5期)の称号を獲得。今年から始まった「叡王」を除く、7大タイトルですべてで「永世」を引退後(名誉王座は引退後か還暦後)に名乗ることができる。

 1989年(平元)に初タイトルとなる竜王を得た後、96年には7大タイトル全制覇も果たした。数々の記録を更新しながら、トップを走り続け、獲得したタイトルは全部で99期。改元が決まった今年、平成という時代を駆け抜けた将棋界のスーパースターが、新たな金字塔を打ち立てた。