プロ野球日本ハムの大谷翔平投手(23)の移籍先が米大リーグのエンゼルスに決まり、同球団本拠地の米カリフォルニア州アナハイム市と「国際親善姉妹都市」の盟約を結ぶ茨城県水戸市では9日、喜びの声が上がった。高橋靖市長(52)は「率直にうれしい。まだ具体的な案は出ていないが、市をあげて応援していきたい」と意気込んだ。

 同市内には「アナハイム広場」と「アナハイム通り」がある。広場は市植物公園内。今年4月には地元の小学生らが花壇をつくるなど、定期的にイベントが行われているが、アナハイム市との直接的な交流はない。同公園の仲田慎也主事(26)は「今回の移籍を機に、植物の交換などができれば」と話した。市総合運動公園内のアナハイム通りを歩いていた男性(60)は「近くに野球場もあるので、シーズン後にパレードや野球教室をやってくれたら」と楽しみにしていた。

 茨城県は、都道府県の魅力度ランキング(ブランド総合研究所調査)で5年連続最下位。大谷の活躍で、水戸市と県の存在をアピールしたい。高橋市長は「まずは我々の応援が、大谷選手の活躍の一助になればという思い。それが結果的に、県や市の知名度アップにつながればいい」と期待した。【太田皐介】

 ◆水戸市とアナハイム市の交流 1974年、アナハイム在住で水戸出身の実業家が、中学時代の恩師をアナハイムに招待したことがきっかけ。76年には「国際親善姉妹都市」の盟約を結び、毎年中高生らのホームステイ受け入れなどを相互に行っている。アナハイム市庁前には「ミト・スクエア」があり、昨年には交流40周年記念で、同市庁周辺の道路の一部が「MitoWay(ミトウエー)」と命名された。