秘書による選挙区内の有権者に対する線香配布が問題になっている茂木敏充経済再生担当相は31日の参院予算委員会で、民進党の追及に、事実関係について明確な答弁を避けた。

 安倍政権の重要閣僚に浮上した「政治とカネ」の疑惑だけに、野党各党は茂木氏の責任を追及する構えをみせている。

 公職選挙法で禁じられている、自身で線香を持参したことは「ございません」と明確に否定したが、民進党の森本真治氏が、詳細にわたる質問を繰り返すと、「個別の政治活動については控えさせていただきます」との答弁を繰り返した。

 また、秘書が茂木事務所の名刺を持参したかどうかについては「個別の活動について、私がその場に居合わせているわけではないので、分からない」と主張。

 「先生、あの、個別の政治活動について何らか違法性があるということなら、ご質問いただければと思うが、一般の政治活動の詳細についてお答えすることは控えたい」とも述べ、公選法には違反していないという主張を前提に、明確な説明は避けた。

 公選法は、候補者らが役員を務める団体などによる寄付に関し「氏名が類推されるような方法でしてはならない」と定めている。茂木氏の秘書のケースが「氏名が類推されるような方法」に該当するかが、大きな焦点になっている。