囲碁の国際棋戦、第22回LG杯朝鮮日報棋王戦決勝3番勝負の第3局が8日、東京都千代田区の日本棋院で打たれ、国内全七冠を保持する井山裕太碁聖(28)は中国の謝爾豪(しゃ・じごう=19)五段に226手で敗れ、主要国際棋戦での初優勝はならなかった。対戦成績1勝2敗。

 世界一にはあと1歩及ばなかった。5日の第1局は謝五段が先勝。井山碁聖は7日の第2局では押されながらも粘り勝ち、勝負を第3局に持ち込んでいた。井山碁聖は対局後、「自分なりに精いっぱい戦ったが、残念。これが今の実力」と振り返った。

 この日も粘り強く戦ったが、謝五段の素早く冷静な着手に押された。井山碁聖は「序盤から厳しかった。世界で戦っていく上では、『素早さと正確さ』という部分が必要」と分析。その上で、「自分は世界的に見ると若くない。どこかで壁を破らないといけない」と危機感をにじませた。

 井山碁聖は、13日には国民栄誉賞の授賞式を控えている。世界一で、受賞に花を添えることはできなかったが、「こういう舞台で戦えたのは大きな財産。まだまだ自分はこれから。(国民栄誉)賞ふさわしい棋士になれるよう今後も努力を続けていきたい」と次を見据えた。