文部科学省が、前川喜平・前事務次官が名古屋市立中の授業で講演した内容の報告を市教育委員会に求めた際、自民党の国会議員2人が事前に経緯などを文科省に照会した問題で、雲隠れしていた池田佳隆衆院議員(51=比例東海)が22日、国会内で取材に応じた。質問は受けず、持論を一方的に語っただけだった。「今回の授業が法令に準拠したものかどうか。地元の方の懸念があれば、声を国に届けることは当然大切。信念に従い、問い合わせた」と主張した。

 池田氏は文科省の質問状を事前に見て、同省側に意見を伝達。教育現場への「圧力」との指摘もあるが、「文科省から感想を求められ、2点感想を述べた。それがすべてだ」と述べた。自民党が政権を奪還した12年衆院選で初当選した「安倍チルドレン」で、失言や不倫など不祥事が続いた当選3回生の1人だ。

 一方、最初に文科省に照会した赤池誠章参院議員は会見し、前川氏が文科省の組織的天下り問題で国家公務員法違反に問われたことに触れ「どういう教育的配慮で呼ばれたのか確認するのは、文科省の立場で考えても当然」と指摘。その上で「(講演内容は)そこまで問題にするものではなかった。心配は杞憂(きゆう)に終わったかも」と話した。