森友学園問題で追い込まれている安倍晋三首相は25日の自民党大会で、憲法9条に自衛隊を明記する憲法改正の実現へ、並々ならぬ意欲を示した。財務省の文書改ざんは冒頭、短く謝罪しただけ。持論の改憲で局面打開&強行突破したい思いが垣間見えたが、現状の改憲案に党内で反対もあり、首相は森友問題を引きずったまま。思いとは裏腹に雲行きは、厳しい。小泉進次郎筆頭副幹事長は「権力は絶対腐敗する。だから謙虚な姿勢を」と、踏み込んだ。

 進次郎氏は党大会後の取材に、「権力は(いつか)絶対に腐敗する。だから権力側が自覚を持って権力を抑制し、謙虚な姿勢で臨まなければならない」と、権力の在り方について踏み込んだ持論を述べた。

 一方、財務省の文書改ざんを「平成の政治史に残る事件」と表現。「この問題を甘く見ない方がいい。終止符を打てないことへの、不信感がある。なぜ起きたのか明らかにすべきだ」と強調。首相は「組織を根本から立て直す」と述べたが、「根本的というのが具体的に何を意味するか注目したい」と、首相の本気度を見極める意向も示した。「誰が悪いと思うか」の問いには「ひとりじゃないと思う」と、くぎを刺した。

 首相悲願の憲法改正については「国民投票で過半数の支持を得るのは、そう簡単ではない。信頼なくして憲法改正なしです」と述べ、国民の信頼がなければ困難との見方も示した。