財務省の福田淳一事務次官(58)が、複数の女性記者にセクハラ発言をしたと「週刊新潮」が報じた問題で、同誌は13日、ホームページに、福田氏のものとするセクハラ発言の「音源」を公開した。音源は1分28秒。男性が「今日ね、今日ね、抱きしめていい?」「胸触っていい?」とささやくように発言しているほか、後日、同誌に直撃された福田氏が「何、失礼なことを言っているんだ」と反論する様子も含まれている。

 麻生太郎財務相は13日の閣議後会見で、福田氏のセクハラ疑惑について「事実なら、セクハラという意味ではアウトだ。今の時代では明らかにセクハラだ」と述べた。今回の報道が事実なら、辞任に値するとの認識を示したとみられる。麻生氏は「今の段階で処分を考えているわけではない」とした上で、「こういう状況で(セクハラ疑惑報道が)出ること自体、緊張感を欠いていると非難される」と不快感を示した。

 一方、野党の女性議員有志はこの日、財務省で上野賢一郎財務副大臣と面会し、福田氏の更迭を求めた。麻生氏への申し入れ書も手渡した。社民党の福島瑞穂氏は「事務方トップが下品なことを言い、力を使い女性記者に迫るのは人権侵害だ。女性差別で、とても看過できない」と批判した。