18日午前7時58分ごろ、大阪府北部で震度6弱の地震があり、4人が死亡、330人以上が負傷した。大阪市東淀川区の安井実さん(80)は民家の壁の倒壊に巻き込まれて死亡。日課だった小学生児童の登校の見守りに向かう途中だった。

 大阪市東淀川区では、見守り活動の男性が、倒れたブロック塀の下敷きになり、亡くなった。近所の住民によると、安井さんはボランティアで小学生の通学路で見守り活動をしていたといい、地震が発生した当時、別の男性と2人で、活動現場へ向かっていた。

 塀が崩れ、2人とも下敷きになったが、1人は足に大けがを負ったものの救出。安井さんは胸に塀が倒れかかり、近くの住民らが心臓マッサージを施すなど、懸命に救命措置を行ったが及ばなかった。

 塀が崩れた家に住む女性(74)によると、塀は、約50センチの土台の上に、140センチほどの石塀があったといい、土台の地面からおおよそ2メートル弱の高さだった。塀の距離は約20メートル。95年の阪神・淡路大震災当時、塀の上部が破損したものの、その部分だけを補修し、この日に至っていたという。

 女性は当時、屋内におり、近隣住民に知らされ、塀の崩壊に気付いた。安井さんとも懇意にしており「いつも7時50分頃に通るけど、今日は5分ほど遅かった。どうしたら…つらいです」と悲痛な表情で話した。

 また、近くの70代男性によると、安井さんは毎朝、つえを突きながら見守り活動を20年ほど続けていた。「地域を支えてくれていた存在なので、残念」と肩を落とした。【加藤裕一】