将棋の史上最年少プロ、藤井聡太七段(16)が7月31日、通算100局目を白星で飾った。東京の将棋会館で行われた第77期順位戦C級1組3回戦で西尾明六段(38)を下した。対局後、「最後は何とか1手しのいだかな」とホッとした表情を見せた。

 これで通算85勝15敗となり、100局到達時の勝率8割5分は中原誠16世名人に並ぶ歴代1位タイ。プロ入りから1年9カ月30日目のスピードでは中原(1年5カ月)、羽生善治竜王(1年9カ月28日)には及ばないが、堂々最年少での100局到達だ。故・大山康晴15世名人や加藤一二三・九段らそうそうたる大先輩を上回る驚異的なペースで勝ち星を積み上げた藤井は「85勝は出来過ぎな数字。上位の先生と対戦して、力の差を感じることもあったので、そこが課題」と貪欲だった。

 目標はあくまで「名人」。「中原先生はタイトルを64期も獲得されている。自分も少しでも近づけるように頑張りたい」。言葉少なだが、藤井の志(こころざし)が見え隠れする。

 今期の順位戦は3連勝。最終10回戦まで、ほぼ1カ月に1局ペースで戦う。区切りの対局をクリアし、次は8月11日、叡王戦予選で木下浩一七段(50)戦に臨む。【赤塚辰浩】