油圧機器メーカーのKYBは19日、免震・制振装置の検査データ改ざん問題について、都内の国土交通省で会見し、不正や不正の疑いがある装置が使われている物件のうち財務省本庁舎や大阪府庁本館など70件の建物名を公表した。

小池百合子都知事は19日の会見で、20年東京オリンピック(五輪)・パラリンピックの競技会場として建設中の水泳センター、有明アリーナの2会場でKYB製品が使われていることについて、仮に不適合と判断された場合は「交換の時期や方法を検討し、最優先事項として扱っていただくことが必要だ」と述べ、早急な対応を求めた。

ただ、KYBの会見で公表された資料に五輪会場の言及はなく、この日は改ざんの有無ははっきりしなかった。会見で「期限が決まっている五輪施設だから、工事が優先されることはあるのか」と問われた斎藤専務は「五輪が迫っていることもよく分かる」としながらも、「工事の日程は、建設会社と相談しながら順番が決まってくると思う」「関係各所と協議して決めたい」と優先案件になるかどうかの明言は避けた。

大会まで2年を切る中、両施設は19年末から20年初頭にかけて完成を目指している。不適合と判断された場合、工事への影響も懸念される。