将棋の最年少プロ、藤井聡太七段(16)が28日、関西将棋会館で行われた第45期棋王戦予選で村田顕弘六段(32)を84手で下した。今年最後の対局を白星で締め、来年の飛躍を誓った。藤井の通算戦績は103勝18敗。

熱戦を制した藤井は「攻め続けなければ悪くなってしまう。成否は際どかった」と振り返った。

藤井にとってはさらなる飛躍の1年となった。昨年10月、史上最年少の14歳2カ月でプロ棋士となり、デビュー後は前人未到の29連勝を達成した。「藤井フィーバー」は社会現象にもなり、「新語・流行語大賞」にもノミネートされた。

今年もその勢いは止まらなかった。今年2月、朝日杯将棋オープン戦で羽生、広瀬を連破し、初優勝。15歳6カ月での棋戦優勝は史上最年少だった。10月には新人王戦の最年少記録を31年ぶりに更新する16歳2カ月で優勝した。12月には史上最年少、最速、最高勝率で通算100勝を達成した。

今年を振り返り「朝日杯、新人王戦の2つの棋戦で優勝することができたのは大きな収穫だったのかなと思います」と話した。一方でトップとの差も痛感した1年だった。「自分の至らないところをあらためて認識させられる将棋も何局かあった。来年は見つかった課題を克服できる1年にしたい」。

つぎの目標はタイトル戦出場となる。最年少記録を持つのが屋敷伸之九段で、挑戦は17歳10カ月、獲得は18歳6カ月。

高校生プロは「タイトルを目指す気持ちは当然あります。今年の対局で、いまのままでは課題が多いかなと思った。一歩一歩近づけるように頑張りたい」と意気込んだ。