昨年10月に移転した東京・豊洲市場で初となる、新年最初の取引「初競り」が5日早朝に行われ、一番マグロが史上最高額の3億3360万円で競り落とされた。これまでの最高1億5540万円を2倍以上更新するご祝儀価格に、市場関係者や見物客らは騒然。一部からは疑問の声も上がったが、落札した「すしざんまい」を運営する喜代村(東京)の木村清社長(66)は「豊洲もハッピー、築地もハッピー」と前向きだった。

一番マグロを釣った大間の漁師、藤枝亮一さん(64)は自宅で「地元の仲卸業者から電話で知らされたが、額が大きくて桁が間違ってるんじゃないかと思った。実感が湧かない」と晴れやかに語った。漁師歴19年のマグロ一本釣り漁船船長。竜飛崎沖の津軽海峡で4日早朝に釣り「海の底に針がかかったような重さ。マグロでなくサメかと思った。命がけで釣ったので大事に味わってほしい」と話した。