過去の「中学生棋士」で名人獲得経験者のうち、C級2組→C級1組→B級2組→B級1組→A級と、ストレート昇級したのは加藤一二三・九段(79=引退)のみ。18歳3カ月でのA級昇級は史上最年少で、翌年には名人戦挑戦権を獲得した。

谷川浩司九段(56)はC2だけ2期経験。それ以降は1期で昇級した上、名人戦でタイトルに初挑戦し、21歳2カ月の史上最年少名人となった。羽生善治九段(48)はC2、C1、B2を各2期経験。B1を1期で抜けるとA級1期で名人戦挑戦権を獲得し、名人となっている。

同じ名人経験者でも、中原誠16世名人(71)はデビューこそ18歳と遅かったが、順位戦は加藤同様にストレート昇級。当時最年少の24歳で名人位に就いている。

◆順位戦 名人を頂点にA級(降級2人)以下、B級1組(昇級2人)B級2組(同)C級1組(同)C級2組(昇級3人)とピラミッド式に格付けされる。1年1期で、各組10回戦の変則リーグ戦を行う。今期A級優勝の豊島将之王位・棋聖は、佐藤天彦名人への挑戦権を獲得。B1以下は1クラスずつの昇級で、2階級特進はない。同星の場合、A級はプレーオフ。B1からC2までは、順位が上の者から定員分だけ昇級する。新人はC2からのデビューとなり、名人になるには最短でも5年かかる。