令和初の一般参賀は、どんな雰囲気なのか。参賀者の列に約3時間並んで、陛下のお言葉を聞いた。午後2時以降、2度のお出ましでは、暑い中を並ぶ参賀者に「感謝」の言葉が伝えられ、国民に寄り添う陛下のお気持ちが伝わってきた。

正午前、東京駅から「行幸通り」を進み、参賀者の列に加わった。手荷物検査やセキュリティーチェックを終えるのに45分。その後、1~9まで番号がついたブロックの1つに並び、約1時間待った。この日の東京は午後2時に24・4度を記録し、ほぼ夏日の暑さ。暑さ対策をしていても、座り込み、ぐったりした様子の人もいた。

やがて私のブロックが進める番となり、正門から二重橋を渡り、東庭へたどり着いた。午後2時の回は終わり、最終回の午後3時を東庭で待ち続けた。

しばらくすると雷鳴が鳴り響き、待機する参賀者の間に不安が広がった。上空は灰色の雲。降雨を覚悟した。すると、当初午後3時予定とアナウンスされたお出まし時間は、午後2時50分へ10分、前倒しに。時刻ぴったりにお出ましになった陛下からは、祝意への感謝とともに「このように暑い中を来ていただいたことに、感謝申し上げます」と、気遣いの言葉が加えられた。「暑さに触れられただけでなく、お出ましが10分早かったのも、雨が降る前にと気遣われたのでしょうね」。そんな声も聞いた。 最後は、両陛下と皇嗣ご一家が中央に集まり、代替わりとなった「令和皇室」を“お披露目”。参賀者からは、ひときわ大きな歓声と拍手が起きた。皇宮警察によると、東庭では121人が脱水症状などで手当てを受け、5人が救急搬送されたという。3時間は暑さとの闘いだったが、それを超える参賀者の熱気も同時に感じた。【中山知子】