川崎市多摩区でスクールバスを待っていた私立カリタス小の児童ら19人を殺傷後に自殺した岩崎隆一容疑者(51)の同市内の自宅では29日、神奈川県警による家宅捜索が行われた。遠巻きに見守る住民もいたが、自宅周辺では「岩崎さんの家に息子さんがいること自体、知らなかった」「岩崎容疑者を見たこともない」と話す住民が大半だった。容疑者はほとんど近所付き合いをしておらず、出歩くことも少なかったとみられる。

ある近隣住民によると、岩崎容疑者は80代のおじ、おばと3人暮らし。容疑者について「幼いころに両親が離婚して、両親の兄夫婦にあたるおじ夫婦に引き取られたと聞いた」。さらに「おじ夫婦には娘と息子がいて、2人ともカリタスに通っていたが、1番年下の隆君(=岩崎容疑者)は川崎市立の小中学校に通っていた。ひどい事件を起こしたことは絶対に間違っているが、小さいころは寂しい思いもしたのでは」と推測した。

別の近隣住民は事件の数日前、岩崎容疑者を見掛けたという。事件を起こした時は丸刈りだったとの目撃情報があるが「やせたと思ったし、見掛けた時は白髪交じりで丸刈りよりは長かったから、事件前に散髪したのかな。荷物を両手に提げて下を向いて歩く姿は、何だか寂しそうにも見えた」と明かした。

岩崎容疑者が通った同じ川崎市立の小学校を卒業した近所の主婦によると「騒ぎを起こしてよく先生に呼ばれていた。凶暴性があるというか、危ない感じはあった」。同じ中学校を卒業した別の近隣住民によると、「中学時代は目立たなかった。それからもずっと影が薄かったのか、この地域では、何1つうわさが立たなかった」と明かした。