立憲民主党の枝野幸男代表は27日、日刊スポーツなどのインタビューに応じ、参院選(7月4日公示、21日投開票)が、安倍長期政権に対する有権者の審判の場になるとの認識を示した。「老後2000万円」問題で政府が報告書の受け取りを拒んだのは、改ざんや隠蔽(いんぺい)が批判されたモリカケ問題などの延長線上にあると指摘。追及は政権に一定のボディーブローになったとし、「民主主義のバージョンアップを一緒に進めようと訴えたい」と述べた。主な一問一答は以下の通り。

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-参院選ではどんなテーマで有権者に訴えますか。目標の獲得議席数は

枝野氏 有権者の皆さんに訴えたいのは、「暮らしの安心回復選挙にしたい」ということ。多くの国民のみなさんの関心は老後や子育て、雇用や暮らしの不安。これを解消し、安心を回復すると訴えたい。候補者は、仕事を辞めたり、リスクをとって立候補していただいている。全員当選に向けて頑張りたい。

-「老後2000万円」や年金問題についてはどう訴えますか

枝野氏 多くのみなさんは報告書を待つまでもなく、年金だけでは安心できないと思っている。正面から受け止めないといけない。年金を抜本的に改革しようと思えばものすごく時間がかかり、今、不安を抱えている高齢者のみなさんには間に合わない。今の年金、蓄えでも安心できる社会をつくることが、「対案」と思っている。医療や介護などの自己負担額に上限をつける「総合合算制度」を、明確に党首討論でも申し上げた。

-32ある「1人区」での手応えはどうですか

枝野氏 一騎打ちですし、勝てる場合でも激戦。出遅れといわれても仕方ない側面はありますが、かなりのところでは、ここからの戦いで十分競り勝てる状況になっていると思う。ここからの戦いが面白いと同時に、相当頑張って応援に回らないといけない。

-安倍政権が長期化し、「思い上がっているのではないか」という声は自民党内にもあるようです。どう見ていますか

枝野氏 通常国会最終日の党の会合で、「ボディーブロー」という表現を使いましたが、おかしいことを1つ1つ指摘してきた。そのことはかなりベースとして、効いていると思う。選挙は楽観できるような状況ではないが、自民党は水がこぼれないようにというふうに、表面張力で何とか頑張っている状態と思う。もうひと押しすれば、これまでの積み重ねが一気に新しい流れを作ると思う。

2000万円の問題も単独で出てきたならば、全然意味づけが違う。モリカケ、防衛省のPKO日報問題など、改ざんや隠蔽(いんぺい)が積み重なる中、自分の暮らしにかかわる年金の話まで、あったものをなかったものにするのかと。話がつながってきていることで、(国民の)大きな声になっていると思う。(2へ続く)【構成・中山知子】