探査機はやぶさ2が11日午前10時5分~45分ごろ(日本時間)に小惑星りゅうぐうに世界で初めて形成に成功した人工クレーター付近にタッチダウン(着陸)することを宇宙航空研究開発機構(JAXA)が9日、発表した。

着陸地点には4月4日の衝突実験で小惑星の地下から噴出させた物質があると推測され、物質採取に成功すれば、世界初の快挙となる。

着陸目標は衝突実験で形成した人工クレーターから北北西に約20メートル離れた「C01-Cb」と名付けられた地点。その周囲に点在する大きな岩などリスクが高いポイントを避け、半径3・5メートル以内に高精度の着陸を狙う。難易度の高いミッションで「ピンポイント・タッチダウン(PPTD)」と命名された。

1回目の着陸成功(2月22日)では表面の物質採取した可能性が高い。2度目の今回は地下の岩や砂などの採取が目的。小惑星の地下には宇宙線や太陽光線にさらされずに変性していない物質が存在している可能性が高い。太陽系が誕生した46億年前の痕跡が残っているとされ、宇宙科学の研究分野で試料としての価値は高い。今回が令和初、りゅうぐうで挑む最後のミッションとなる。