第25回参院選は22日、全124議席が確定した。与党は71議席と改選過半数(63)こそ上回ったが、自民党は改選前から9減で単独過半数も失い、勝ったとはいえ微妙な勝ち方。そんな中、山本太郎氏(44)率いる「れいわ新選組」、「NHKから国民を守る党」が支持を集め、政党要件も獲得。既成政党と一線を画す「ネオ野党」の台頭は、永田町政治への有権者の不信を浮き彫りにした。

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参院選比例区で1議席を獲得したNHKから国民を守る党(N国)代表の立花孝志氏(51)が22日、次の衆院選では自身を含む、5人の有力候補者を擁立する構想をぶち上げた。

同日未明に初当選を果たしたばかりの立花氏は、都内の事務所で「(候補者は)寄せ集めの5人ではない」と明言。第1候補は北方領土での「戦争発言」で日本維新の会から除名された丸山穂高衆院議員(35)で「すでに丸山議員とは連絡を取り合っている。今週中に直接会談する予定だ」と“共闘”を呼び掛ける考えを明らかにした。

衆院解散、総選挙となれば「自分も党首として、(鞍替えして)衆院選に打って出る」とした。残る3候補はいずれも現役議員で近々に直接交渉に入るという。さらに「惨敗した国民民主党で次の参院選を戦う人や他の党の人も」と、最終的には全国11ブロックすべてに公認候補を擁立し、一気に勢力拡大を狙う。

N国は全国で得票率2%を上回り、公職選挙法上の政党要件を満たした。NHKへの批判を唯一の政策として、参院選で初議席を得たが「今後は直接民主主義を訴えていき、NHKをぶっ壊し、スクランブル放送を実現させる」と、怪気炎をあげた。

選挙戦を振り返り「泡沫(ほうまつ)と言われていたが、自分の中では想定の結果」と豪語。「政界の風雲児、織田信長。参院選は桶狭間だった」と高笑いした。NHKを批判し続けた元NHK職員は、政界の舞台に大暴れをにらむ。【大上悟】