国民民主党の伊藤孝恵参院議員は21日の参院文教科学委員会で、3月に起きた沖縄・名護市辺野古沖での転覆事故をめぐり文科省側から現地調査を踏まえた内容が示されたことを明かし、亡くなった女子生徒が通っていた同志社国際高(京都府)の対応をめぐり「驚きや怒りを通り越し、気持ちの置き場がない」と、憤りをまじえて指摘した。
伊藤氏は、同校の修学旅行の平和学習中に発生した事故について、これまで文科省による調査と集中審議の開催を求めてきた。4月16日の同委員会の質問時には、同志社国際高の西田喜久夫校長の発言として伝えられる内容を取り上げ「なんて非道な言葉を使う教育者なんだと。本当に憤りを覚えた」と声を震わせ、怒りをあらわにしていた。
この日、質問であらためて事故について問うた伊藤氏は、この日の委員会前の理事会で、文科省側から現地調査を踏まえて把握された概要や、これまでに文科省が把握した情報やそれに対する見解とともに、可能な限り速やかに公表するという趣旨の報告が行われたと述べた。「事前の下見を行うことなく、校内で検討の上、ボート乗船を開始されたと書いてある。どんな情報を元に判断されたのか、できたのか、はなはだ疑問ですし、計画は学年の担任会、教職員会議の合議で決定すると書いてあり、承認されて最終的には校長の責任のもとで実施すると書いてある」と文科省側の報告を踏まえた上で、「その過程で、これ大丈夫ですか? 抗議船に生徒を乗せるんですけど、生徒や保護者に伝えていましたかと指摘する教育者はいなかったのか」と指摘。「さらには、学校法人は事前も事後も、まったく把握していない。そんなガバナンスがこのような有名私立であり得るのか。驚きを通り越して、怒りを通り越して、気持ちの置き場がありません」と、くやしそうに口にした。
また、亡くなった生徒の遺族が発信しているnoteにも触れ「自力で、沖縄研修旅行における辺野古コースの変遷を、2010年までさかのぼって調べておられる。なぜ最愛の娘が、妹が死ななければならなかったのか全容が知りたい、責任を追及したい、再発防止につなげたいと。そうでなければ知華さんにあわせる顔がないと、いてもたってもいられないご遺族の気持ちが伝わってくるnoteです」と、口にした。
文科省は4月24日、今回の事故を受けて学校法人同志社に立ち入り調査を実施した。伊藤氏は「4月24日の調査結果の公表は、スピード感も一つの弔意だし、文科省の責務であると思う」とした上で、「(今後)公表された中身は、ご遺族が望まれていたものなのか、辺野古コースが生まれた経緯、生徒に説明や講義を行う人物の選定方法、協力を依頼する団体等と学校との契約の透明性、一時期廃止されていたコースが2015年に復活した理由、(船の運航団体)ヘリ基地反対協議会の意見のみを聞くといった、教育の中立性からの著しい乖離(かいり)、安全性も含めたレビューの実施の有無など、平和教育の実態解明といえるものになっているのかどうか。大臣、教えてください」として、松本洋平文科相の見解をただした。
松本氏は「今回の文科省の現地調査を踏まえた報告ということで理事会に提出させていただいた。現在、文科省として現地調査などを踏まえてこれまで得把握した事項について一定のとりまとめを行うべく最終の確認を進めている。いつまでも時間をかけていい話ではなく、スピード感をもって進めていくという旨の答弁をしている。可能な限り、すみやかに取りまとめて公表したい」と述べた。また、「私もご遺族のnoteはすべて目を通しており、ご遺族自らがいろんな方からの情報提供や調査をされて公表されていることも承知している」とした上で、「まずは学校法人が設置した特別調査委員会での解明を期待するが、ご遺族のnoteには、コース設計の経緯と人選、透明性、チェック機構などが挙げられ、いわゆる平和学習にも言及されていると承知している。文科省として、とりまとめを予定している内容においては、こうしたご遺族の指摘も受け止めてしっかり対応してまいりたい」と応じた。
伊藤氏は「大臣に、ご遺族の思いを受け止めて公表してまいりたいという付言いただいたので、その内容をチェックをさせていただきます」とし「文科省が今ほど挙げた内容は最低限、把握、是正すべき内容であり、網羅されない場合は、あらためて指摘したい」とも指摘し、くぎを刺した。

