名馬ディープインパクトの急死を受けて武豊騎手(50)が31日、栗東トレセンで会見して胸の内を語った。

「昨日の報道を見て、あらためて偉大な馬だと思った。本当に特別な馬。僕にとってヒーローみたいな馬。ともに過ごせた時間はすごく幸せだった。出会えてよかった。感謝しかない。『ありがとう』と言いたい」

前日30日は北海道に滞在中で、訃報を聞くと空港から引き返して繋養(けいよう)先の社台スタリオンステーションを訪れたという。解剖のため遺体とは対面できなかったが、主のいなくなった馬房で手を合わせた。

「現役を引退した時も最強のままターフを去った。種牡馬としても最強のまま突然の終わりになった。日本だけでなく競馬を変えた馬。産駒が引き継いでくれると思う」

やり残したことを聞かれると「ありますよ。凱旋門賞。世界一強い馬だから勝たなきゃ行けないと思っていた。とれなかったことは大きな悔しさとしてまだ残っている。ディープ産駒で勝ちたいという気持ちはある」と、今後のリベンジを誓っていた。

トレセンでG1追い切り以外の共同会見が行われるのは異例のことで、注目度の高さをうかがわせた。