優勝した履正社のお膝元の豊中市役所では、第2庁舎1階ロビーでパブリックビューイングが行われた。観戦用のいすは50脚だったが、試合開始前に追加されるなど、80人を超える観客が訪れた。

少年野球チーム「ムーンジュニア」の代表を16年間務める山口正之さん(58)は、頭にアルプスの応援でも使用している「履正不畏」と書かれたはちまきを巻いて観戦。かつてチームには履正社岡田龍生監督の長男と次男が所属しており、また自身の息子も履正社出身。中学に入学したとき、生徒指導で校門に立っていた岡田監督と「お世話になります」とあいさつしたことがあるという。岡田監督のことを「尊敬する人です」と話した。

東大阪市からやって来た60代の女性は、子どものときに大東市に住んでおり、履正社の4番・井上広大外野手(3年)と同じ中学校出身。豊中市に住んでいる息子から教えてもらったという。「昔からヤクルト山田のファンで、履正社には特別な思いが。この日は家でじっとしていられなくて来た。(表敬訪問の)激励会も来た」と話した。

3回に井上が3ランを放ったことに、「さすが井上くん。いつもはひょうひょうとした顔。打ったときは見られなかった。録画してるので帰って見ます。春は1回戦で負けたから激励会は厳しい顔だった」。勝利の瞬間は「夢みたい」と喜んだ。

また、この日は少年野球チームの子どもたちがたくさん観戦に訪れた。野畑ブレーブスの阪本光志郎くん(4年)は「うれしいバッティング」。岩田央亮くん(4年)は「取り返すのが難しい、いい2点」。竹内亮太くん(2年)は「バッティングがうまかったし、きれいだった」と勝ち越した8回の攻撃を称賛した。山本凜太郎くん(4年)は「井上くんは三振が多かったけど、ヒット打ったとき、普通のバッターなら泳がされてセンターフライ。力で持ってくるのがすごい」と話した。