安倍晋三首相は11日夕、会見し、内閣改造のねらいなどを語った。

「安定と挑戦の内閣」と命名し「令和の時代の希望にあふれた日本を築きたい」と述べた。19人の閣僚のうち17人が交代し、13人が初入閣。ただ、首相の命名とは裏腹に、首相の盟友&お友達と、入閣待機組からの起用が相次ぎ、自民党内からも「安定18人、挑戦1人の内閣」とやゆする声もある。 その「挑戦」を象徴する唯一の担当となる進次郎氏について、首相は目玉人事であることを裏付けるように、記者の質問を受ける形で多くの時間を割いて語った。「若手ならではの斬新な発想での取り組みを期待している」と述べたほか、進次郎氏が8月末に初当選から10年を迎えたことに触れ「私の10年目より(活動内容に)年季が入っている」と持ち上げた上で「ぜひ結果を出してほしい」と求めた。

自身は初当選から10年目の03年、進次郎氏の父、純一郎元首相に自民党幹事長に抜てきされたことを振り返り「まだ当選3回で、十分準備ができていなかった。大変な重責を感じたが、現在の重責を担う上でのかてとなった」と述べ、進次郎氏にも同様に経験を積ませる意向を、にじませた。

政府与党内では、進次郎氏の抜てきで内閣支持率の上昇への期待が強い。そのため今回の人事は、早期の衆院解散・総選挙をにらんだ伏線ではないかとの見方もある。10月は消費税率10%スタートを控え、国民の反発は必至だが、政界関係者は「もし支持率が急落しなければ戦える。野党は選挙体制が整っていない」と指摘。解散カードを温存する首相が早ければ、年内の衆院解散総選挙に踏み切るとの見方もある。