台風15号の影響で、千葉県市原市のゴルフ練習場「市原ゴルフガーデン」の鉄柱が倒れ込んで住宅被害を受けた住民に対し、鉄柱撤去作業を行う予定の業者が26日、同市内で説明会を行った。

出席者によると、業者は練習場オーナー側から依頼されたのではなく、被災者を助けたいとして無償で撤去を行うと説明したという。撤去は約2カ月かかる見通し。練習場の一部を壊し、重機数台を入れて作業を行う予定だという。

説明会は業者側数人が出席したが、オーナーとオーナー側弁護士は同席しなかった。また、住民側は撤去について同意するかしないかの書面を、早急に提出するよう求められたという。

住民側の意見も割れている。ある住民は「これまでずっと業者が決まらなかった。無償でやってくれようとしている今回の業者さんはボランティアですよね。一生懸命やってくださる方々を信じて、やってもらいたい」と話した。

一方で、次男夫婦の自宅が被害を受けた会社員の湯浅泰一さん(65)は「今後の補償が何も決まっていないのに、簡単にサインはできない。納得できない」と憤った。「作業の際、住居がさらに壊れるようなことがあっても、一切責任を負わないと書いてあった。損傷が浅い家はいいかもしれませんが、損傷が深い人にとっては取り返しがつかないことになる」と不信感を募らせた。さらに「業者は無償でやりますと言っていたが、タダほど高いものはない」とため息をついた。【近藤由美子】