令和元年度の東京都の名誉都民に選ばれた劇画家のさいとう・たかを氏(82)は1日、顕彰式典後、報道陣の取材に応じ、50年以上、1度も休載なく連載が続く代表作の「ゴルゴ13」について、「私は10話で終わるつもりだった」と、意外なエピソードを明かした。

連載はいつまで続くかと問われて「考えたことはない」と述べた上で、「私は10話で、ラストの話を考えてある。(ラストまでは)挿話で、話を差し込んでいるだけ。それでラストが、後の方に行っている。それが長く続いた原因の1つではないでしょうか」と、話した。

さいとう氏は、デビューから64年。「ゴルゴ13」は、これまで194巻まで刊行されている。「(漫画が)好きで好きで、とにかく書いていられれば、という人もいるが、私は仕事として始めた。この仕事は伸びると思った」と、仕事に就いた当時を振り返り、「この仕事に入った時から、少なくとも締め切りを守るのが最低条件。おかげさまで、64年間、1度も穴をあけたことはありません」と、笑顔をみせた。