2月に人手不足のため24時間営業をやめ、コンビニの24時間営業問題が議論されるきっかけを作った、セブン-イレブン東大阪南上小阪店オーナーの松本実敏さんが28日、「(来年の)正月1日は休む意向を固めました」と、20年元日を休業する考えを明らかにした。

松本さんはこの日、コンビニエンスストアを経営する加盟者らが加入する、コンビニ加盟店ユニオンが都内で開いた勉強会に講師として参加。席上で「正月は閉めますよと、ずっと社長に言い続けてきているので、社長公認です」と、永松文彦社長にも元日を休業する意向を告げていると明かした。

松本さんは2月に、セブン-イレブン本部との合意がない中で午前1~6時の営業を中止。8月にも、本部に9月から日曜日を定休にすると通告した。いずれも人手不足が理由だった。日曜定休は、本部からオーナー相談室の管理職が訪れ、実行を止められた。その中、実行する予定だった9月に入る2、3日前に人手が入って「何とか回るようになった」ため、日曜日の定休は見送ったという。

ただ、本部から、客からのクレームが多いなどと指摘されたという。松本さんは「お客さんにも、おかしいことはおかしいと言い、ダメな時はダメだと怒るからクレームがいく。でも、それは全部、解決している」と説明したが、「(客からの)クレームが多い」との、永野社長名の文書が送られてきたという。

そのため、松本さんは「全部、解決して(客と)ちゃんと話し合っている。(本部が)言うことに対して、何も話を聞かないで無視している。1つも直さないみたいに書いていたが、全くそうじゃない、調べてくれと言った」という。ただ、本部からは「どちらとも言えないので、打ち切りにしますと」との回答が返ってきた。

松本さんは、米国でセブン-イレブンを経営する店主らの団体の幹部3人が9月に来日した際、セブン-イレブンの本部に足を運んだ。そして「社長直々に、もう1回、調べて下さい。私が問いかけたことに返事をください。くださらない場合は、正月をお休みさせていただきます」と伝えたにも関わらず、返事がなかったという。松本さんは「従業員も『正月くらいは休みたい』と言っているので」と、来年元日の休業へ、固い意志を示した。

セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソンのコンビニ大手3社の中では、ローソンが唯一、働き方改革の一環として来年元日の全国で100店規模の加盟店を休業にすることを試行すると、9日に発表している。【村上幸将】