大学入学共通テストの英語で、20年度から導入予定の民間検定試験をめぐる「身の丈発言」で批判を浴びている萩生田光一文科相は、30日の衆院文部科学委員会で、あらためて発言を謝罪した。「国民、特に受験生のみなさまにおわびを申し上げる」と述べた。

一方、この日、政府内に試験実施の延期論が浮上していると、一部で報じられたが、萩生田氏は「文科省としては承知していない。政府のどこかで話があるなら確認したい」と述べた。

同試験に関しては、受験料の高さや、会場が都市部に限られるなど、経済格差や地域格差によって、受験生に不平等さが生じる恐れが指摘されている。そんな中、萩生田氏は24日のBSフジ番組で、英語検定試験に関して「自分の身の丈に合わせて頑張ってもらえれば」と発言した。この発言の背景について問われた萩生田氏は「どんな環境にいる受験生でも力を最大限発揮できるよう、全力で頑張ってもらいたいとの思いだった」と、釈明した。

これに対し、国民民主党の城井崇氏は、受験生自身がどうすることもできない経済的、地域的な格差などが解消されていない制度そのものが「『身の丈入試』になっている」と、批判。今もって詳細が不明な部分も多く、周知も不足しているとして、あらためて実施の導入の延期を求めた。

萩生田氏は「すでに準備をして頑張っている受験生もいる。問題を1つ1つ解決しながら、20年度からの実施に向けて、全力で取り組みたい」と応じなかった。

質疑では、受験生の経済的負担も議論になった。試験は6団体7種類から選び、最大2回分を申請できる。しかし検定料が最も高い業者で、2度受験するとそれだけで5万760円。宿泊費や交通費が加わる受験生の場合、負担はさらに拡大する。萩生田氏は、試験実施団体に会場を増やしたり、検定の減額を働きかける意向も示し、業者に、検定料の減額方法を公表するよう再度要請していることも明らかにした。