人、人、人-。ハロウィーン当日の31日、東京・渋谷は、バラエティー豊かな仮装をしながら、スマートフォンを片手に写真を撮り、騒ぐ若者であふれかえった。

混乱を避けるため、今年は渋谷区が期間中の路上飲酒を条例で禁止し、警視庁もトラブルに備えて機動隊を投入。軽妙な語り口で人々を誘導する「DJポリス」を含め数百人で厳戒態勢を敷いた。

JR渋谷駅前のスクランブル交差点は大勢の人であふれ返り、車両の上に立ったDJポリスが拡声器を使い「ボールを投げないで下さい。傘を差さないで下さい」と危険行為を注意する声が響いた。しかし「交差点で写真を撮らないで下さい」と呼びかけても外国人を含め、集まった集団は利き腕を上に伸ばし、混雑ぶりを写真や動画に収めていた。午後8時過ぎ、警備上の問題からなのか、駅前のスクランブル交差点から「SHIBUYA109」前の道玄坂交差点で分岐する2区間に、車両の交通規制が始まり、異例の「歩行者天国」が出現した。

渋谷のハロウィーンは昨年、集団で軽トラックを持ち上げ横転させる事件が発生した。痴漢など逮捕者も続出し、マナーの悪さも問題視されていた。今年も大勢の集団であふれたが、交差点中央付近まで進んでも、信号が変わる時には、警察の交通整備で歩道に戻され、安全確保が強化された。暴動と化した昨年と比較すると、大きな混乱はなかった模様だ。