将棋の最年少プロ、藤井聡太七段(17)が3日、大阪市の関西将棋会館で指された第78期名人戦順位戦C級1組7回戦で船江恒平六段(32)を78手で破り、開幕から無傷の7連勝とした。各10局を戦う順位戦C級1組は今期36人が参加し、上位2人がB級2組へ昇級する。7回戦が始まるまでは、藤井、佐々木勇気七段(25)、石井健太郎五段(27)の3人が全勝だったが、佐々木、石井が敗れたため、唯一、藤井が全勝を守り、単独首位に立った。

熱戦を制した藤井は「序盤は類型のない将棋で難しいかなと」と振り返ったが、持ち前の終盤力を発揮し、快勝した。

順位戦は最上位のA級からC級2組までの5クラスに分かれて戦い、A級の優勝者が名人挑戦者となる。藤井は前期、9勝1敗の好成績を収めたものの、B級2組昇級を逃した。上位が同じ戦績で並んだ場合、昇級は「順位」が優先され、昨年はプロ2期目だった藤井の順位は31番。同じ成績で並んだ3人よりも「順位」が下だったため、「頭ハネ」で昇級を逃した。

谷川浩司九段が持つ名人獲得の史上最年少記録は21歳2カ月。これを更新するには、今後の順位戦をすべて1期で昇級する必要がある。

単独首位に立った藤井は「残り3局、全力を尽くしたい」。全勝すれば、文句なく昇級する。