浜松市西区の私立認可保育園「メロディー保育園」の保育士、栄養士18人が、園長らからパワハラ、セクハラ、マタハラなどを受けたとして弁護士を通じて一斉に退職届を出したことが13日、分かった。

浜松市幼児教育保護課の担当者は、今回の事態に「とても重大な事柄。園には、保育士らから退職届が出たことを受け止めて(保育士らが退職日とした12月28日の先の)来年1月からの保育をどうするか、検討をお願いしている」と説明した。

市は、保育士と栄養士が保育園に退職届を提出した11日に、代理人弁護士から電話で情報提供を受けたこと、匿名で保育士から状況説明があったことを明らかにした。担当者は「(弁護士と保育士から)ハラスメントについての話もあった」と明らかにした。

それを受けて同日に園からも説明を受けたが、双方の主張には食い違う部分があったという。ただ同担当者は「ハラスメントについては、市としては事実確認やジャッジが出来る立場にはない」とした。

保育士はパートも含めて32人働いていると園は説明しているが、浜松市としては働いている保育士の数は28人と把握しているという。同市の基準では、メロディー保育園の規模の認可保育園には常勤の保育士が17人いなければいけない。

現在は市の基準にのっとった常勤の職員は25人いるが、退職届を出した17人が退職した場合、残りは8人となり9人足りないことになる。同担当者によると、9人足りなくなった場合、補うためには、保育士の勤務シフトなども考慮すると15~20人の人員が必要になる見込みだという。

市は園に対して、16日までに対応策を報告すること、保護者説明会の開催を要請している。担当者は「どういう報告があるかを受けて、市の動きを決定する。園児と保護者に、どのように保育の環境を確保するかが大事」と指摘した。【村上幸将】