渡辺明棋王(35)への挑戦権を争う、将棋の第44期棋王戦挑戦者決定戦第2局が27日、東京・千駄ケ谷「将棋会館」で行われ、本田奎(けい)四段(22)が佐々木大地五段(24)を下した。本田はタイトル戦初登場となり、規定により同日付での五段昇段を決めた。
現行のタイトル戦で初参加初挑戦は、初めての快挙。昨年10月のプロデビューから1年2カ月での挑戦権獲得は、史上2番目。1989年(平元)に第55期棋聖戦で屋敷伸之が達成した1年1カ月に次ぐ。四段での挑戦は屋敷、92年の第60期棋聖戦の郷田真隆以来となる。「記録として残るのならうれしい。ここまでやれるとは思わなかった」と、喜びをかみしめた。
格下ながら、あれよあれよという間に決勝に進出し、予選から土つかずのまま挑戦者になった。敗者復活戦から勝ち上がった佐々木を相手に初戦こそ落としたが、2敗失格のルールで第2局を迎え、今度は勝利を手にした。「予選を抜けるのも厳しいと思っていた。まさか挑戦できると思わなかった」と、本音も出た。
プロ棋士養成機関「奨励会」の三段リーグでは16年、藤井聡太にも土をつけたことがある。ただ、勝ち星が伸びず足踏みした。17年には弟弟子の斎藤明日斗に先を越された。悔しい思いと、コンピューターソフトを使った研究で実力を伸ばし、リーグを突破すると、藤井よりも先にタイトル挑戦という切符を得た。
将棋界の8大タイトルは、棋王を除くと17年から今年にかけ、タイトル保持者が毎年変わっている。昨年4月に平成時代を振り返る将棋イベントのトークショーに出席した羽生善治九段が、新時代の将棋界を「カオス」と予測した。まさに「戦国模様」だ。
自動車業界だけでなく、将棋界でも「ホンダケイ」が席巻するのか? 羽生と同じトークショーに出た「引き立て役にはなりたくない」と話した渡辺が待ち構える。対する22歳の挑戦者は、「勝負になればいい。情けない将棋を指さないように」と、自らを奮い立たせるように話していた。

