東京都の小池百合子知事は10日の定例会見で、保釈中に日本から中東レバノンに逃亡した、前日産自動車会長カルロス・ゴーン被告(65)が8日に現地で行った記者会見について「身ぶり手ぶりを交えて、ゴーンさんらしかった」と、感想を述べた。

小池氏は国会議員時代にルノーの社外取締役を務めたこともあり、ゴーン被告とは旧知の間柄。

一方で、ゴーン被告が日本の司法に対して批判的な発言を繰り返していることには「我が国の裁判における被告になっている。我が国の法律に照らし合わせると、(会見での主張は)齟齬(そご)が生じ、ご本人の考えとはかなり乖離(かいり)すると思う」と指摘。ゴーン被告の主張に、疑問を投げかけた。

また、ゴーン被告の逮捕以来の大混乱で、同被告が会長を務めた日産自動車の業績が悪化していることにも懸念を示した。「日本の自動車産業は、日本経済の要だ。エンジンからモーター、水素へと移り変わろうとする時代の大きな変化の中で、経営陣の中の人間関係や司法がからんでくるような事態に陥っている」と指摘。日産について「自動車産業の中でも有数の企業であり、業績も絶好調とはいえない面で、大変残念だと思う」と述べた。