新型コロナウイルスによる肺炎をめぐり、政府は2日間で外国人8人の入国を拒否した。水際作戦を1日から強化。武漢市がある湖北省に2週間以内に滞在歴があるか、同省発行旅券を持つ外国人を入国拒否している。中国内では、死者が前日比57人増の361人となり、02~03年の重症急性呼吸器症候群(SARS)の中国での死者(349人)を超えるなど、春節(旧正月)連休が明けても厳戒態勢が続いている。
湖北省をめぐる外国人入国拒否は、初日の1日に5人、2日に3人が対象となったという。対象者は症状の有無を問わず、入国を拒否する方針だ。
中国内の感染者は1万7000人、感染疑い例も2万人を超えている。重症者も約2300人に上り、今後SARSの世界の死者数774人を上回る可能性も出てきた。香港大は、武漢市の感染者は1月下旬までに約7万6000人に達していた可能性があるとし、実態は統計よりかなり多い恐れもある。湖北省以外でも、広東省、浙江省、河南省、湖南省などは感染者が多く、北京の病院で集団発生が起きるなど他地域への拡大が深刻化している。
事態を受けて、米国やオーストラリアなどは、中国に滞在した外国人の入国拒否に踏み切った。日本でも、加藤勝信厚労相が衆院予算委員会で「さらに拡大するならば、そこを対象にしていく弾力的措置は考えなければ」などと発言。入国拒否の対象地域を拡大することも視野に入れている。
ウイルス検査態勢も強化される。民間機関でも検査できる態勢の構築を急ぎ、簡易検査キットの開発にも着手した。また最初は陰性だった人が追加検査で感染判明する例があったため、たんの採取も徹底する。
中国では、延長された春節連休が明けたが、企業や学校の多くが自宅での“自主隔離”とし厳戒態勢が続く。春節中の移動はのべ12億8500万人で、前年比27%減。北京駅の電光掲示板には「湖北省に滞在歴がある人は必ず検査を受けるように」とのメッセージが表示された。あるタクシー運転手は「客を乗せるのは命がけ」と話した。
武漢では3日、10日間の超突貫工事で新設された「火神山医院」で人民解放軍が診療を開始。湖北省も約8000人の医療団が支援に入ったと発表したが、病床や医療関係者の不足は深刻で、感染者増加に追いついていない。新華社電によると、共産党の習近平総書記(国家主席)ら党最高指導部は3日の会議で、感染症対応に誤りがあったことを認めた。指導部が誤りを認めるのは極めて異例だ。

