公文書管理をめぐる稚拙な答弁を繰り返している北村誠吾地方創生担当相は12日の衆院予算委員会で、自身の大臣としての資質に関する質問をした野党議員に対し「野党の皆さんからもいろいろな形で学びながら仕事をする。ご鞭撻(べんたつ)、よろしくお願いします」と、低姿勢で語りかけた。

相手の懐に入り込むような年配の議員らしい老練な対応に、これまでの答弁中にはなかった拍手が、与党席から起きる場面もあった。

先週の記者会見で「普通の大臣として仕事が出来るように努める」と述べた真意を、国民民主党の後藤祐一議員から問われると「国民に心配をかけず、信頼に応えられる仕事ができる大臣じゃないといかんという意味で申した」と、述べた。

「そうすると、今は普通の大臣ではないということか」と突っ込まれた北村氏は「先日も釈明することがありましたし、私も至らないところがある。至らないところを補いつつ、事務方をはじめ先輩、野党の皆さんからもいろいろな形で学びながら仕事をさせていただきたい」とかわした。

この日も官僚の万全サポートなしになかなか答弁できない北村氏の「資質」を、目の前で見たはずの安倍晋三首相は、自身の任命責任を問われると「北村大臣はしっかり任務を果たしていると思う」と、述べた。

「大臣は発言の際に文書を読むこともある。文書作成の上では、大臣の考えの中で調整しながら文書をつくっている。言葉として発する時は、自分の考えだ」とした上で「今後もしっかり職務を果たすことを期待している」と、北村氏の不安定答弁に目くじらを立てない意向を示した。