日本一長い商店街、大阪の「天神橋筋商店街」でも、普段より人通りが減少していた。吉村洋文大阪府知事は、前週の大阪、兵庫往来自粛に続き「今週末の不要不急の外出を控えてほしい」と要請を出し、それから一夜明けた28日、普段は大勢でにぎわう同商店街を訪ねてみた。新型コロナウイルスの影響で、各店舗ともに、売り上げは減少しているという。

文房具店を経営している同商店街連合会副会長の築部健二さん(70)は「(外出自粛の)影響は出ている。人通りも普段より3割ほど減っている印象」と話した。例年、この時期になると新学期の準備で客が店からあふれるほどになるそうだ。だが、今年は…。

「習字セットや絵の具セット。小学生が進学に応じた準備に、お母さんと一緒に来たり、お兄ちゃん、お姉ちゃんと一緒に来たりするが、そういう子は(今年は)全然見ない。外出を控えて、若いお母さんなんかはアマゾンとかで注文しているのではないかな。我慢しないとしゃーない」

居酒屋を経営する女性店主は「土曜日は、ほんまは休みだけど、人件費や家賃が払えないからがんばって営業している」と言い、売り上げが普段の3割程度に落ち込んでいると明かした。それでも、逆境をチャンスに変えようと、大阪人らしい風刺的発想で、新企画を考案。ドリンクと数点のつまみをセット価格で「567円」に設定した。

経済にも打撃を与える新型コロナウイルスに打ち勝とうと、語呂合わせでの価格設定だと説明。同店主は「店に入ってきてもらえるように」と話していた。【南谷竜則】