発明家のドクター・中松氏(91=本名・中松義郎)が13日、感染拡大が進む新型コロナウイルスの、目からの飛沫(ひまつ)感染を防ぐ初のマスク「ドクター中松 スーパーメン SUPER M.E.N」を改良した「-58型プロ・デラックス」を発表した。

この日、中松氏はオンライン会議システム「Zoom」で日刊スポーツの単独取材に応じた。

これまで発表した基本の38型、医療従事者などプロ仕様の48型ともに、顔全体を覆う透明板を取り付け具で頭部に固定して着用していたが、58型では取り付け具をマスクの両サイドにもアンプリファイア(向上装置)として付けた。

一見、アニメ「機動戦士ガンダム」に登場するRX-78ガンダムか、特撮映画「大魔神」に登場する大魔神を想起させるルックスで、中松氏は「大魔神とかガンダムとか言われますね」と苦笑いした。

ただ、大事なのは見た目ではなく高い機能だ。中松氏は、左右にアンプリファイアを着けて透明板を3方向から囲んだことで「温度、湿度、気圧の3点が向上する」と説明。その上で「ウイルスは温度と湿度が高いのを嫌う。さらに『SUPER M.E.N』内の気圧を上げればウイルスは侵入してこない」と詳しく解説した。

そして「PCR検査は、鼻の奥に綿棒を入れて粘膜を採取するため、医療従事者は患者と接近するので非常に危険。防護具やマスクも不足してきている中、『SUPER M.E.N』は洗って何度も使える上、58型は感染防御力が増しており患者に接近しても安全」と胸を張った。アンプリファイアを両サイドに付けたことで、強度も増したという。

アンプリファイアにより、透明板の内側の温度、湿度、気圧は上がるものの、透明板と顔は接触しておらずアゴの下に空間があるため通気性は良い。これから夏場を迎え、顔に密着する形のマスクは蒸れることへの懸念が各所で叫ばれ始めているが、中松氏は「夏は非常に暑くなるが、顔と接触することで蒸気が出て、メガネなどを曇らせる通常のマスクよりも、はるかに涼しい。高温対策は大きな特徴の1つ」と自信満々だ。

現在、「SUPER M.E.N」を増産するため、都内のドクター中松創研内で工場の建設を行っている。その中、医療従事者からの問い合わせが相次ぎ、現在、3週間待ちの状況だという。「軽いので長時間、着けていても疲れない」など、医療現場から好評の声が寄せられているという。

中松氏は「2月14日に発表後、『何を考えているんだ』『着けるのが恥ずかしい』などの声もあったが、目からの感染を防ぐという私の発明が理解され、他にも似たような商品が出てきた」と現状を説明。その上で「でも『SUPER M.E.N』には102の発明が詰まっており、重量17・5グラムは世界最軽量。ウイルスとの戦いの長期化が避けられない中、最先端を行く58型で世に問い掛けたい。購入をお待たせしている現状は申し訳ないが、確実に、いいものを、丁寧にお作りします」と力を込めた。