検察官の定年延長を含む国会公務員法改選案を審議する衆院内閣委員会は13日、改正案の撤回などを求める野党側が猛反発して中断した。所管する森雅子法相は欠席した。武田良太国家公務員制度担当相が改正案の特例規定で、検事長ら要職の定年延長に関して「今は(基準が)ありません」と、答弁したことで紛糾。国民民主党の後藤祐一衆院議員が「今後の基準、方向性を示してもらわなければ審議には応じられない」とし、野党側が退席した。

立憲民主党など野党4党は、この日午後から緊急の党首会談を行い、改正案から検察官の定年延長規定を除外、修正しない限り、採決は認めないとの認識で一致した。

与党側は今週中にも採決の構えを崩していない。ただ、その構えに与党内からも反対の動きが出ている。内閣委の委員の1人、泉田裕彦衆院議員(元新潟県知事)は委員会中断前に「強行採決が行われるなら、退席する」と与党理事に口頭で伝えたという。泉田氏は取材に「改正法の施行がまだ先なのにコロナ対策が急がれる中、なんで今なのか委員でも分からない」と疑問を投げ掛け「森大臣も出席して、しっかり議論をすることが何よりも大事」と話した。

泉田氏の動きは自民党内でも波紋を呼んだものとみられ、泉田氏は自身のツイッターで「強行採決をすべきでない。との声が届くのかわかりませんが、内閣委員をはずされることになりました」と投稿した。強行採決には与党内からも反対意見が出るなど、検察庁法改正案を巡る情勢は緊迫してきた。【大上悟】