「筆談ホステス」で知られる斉藤りえ氏(36)が27日、都内で会見し、東京都議会議員補欠選挙の北区選挙区(7月5日投開票)に、立憲民主党公認で立候補することを発表した。

聴覚障がいがある斉藤氏は、リスピーク(言葉を言い直す)の女性とともに出席。「このたび、7月5日に行われる東京都議会議員補欠選挙に北区選挙区から立候補を決意し、立憲民主党に公認されたことを報告します。私の政治家としての原点は、障害のある人の声を政治に届けたいということ」と説明した。

斉藤氏は15年5月から東京・北区議を1期4年務めたが、当時を振り返り「初当選後に活躍できる環境を整備して、全国で初めてパソコンを持ち込めるようにしてもらった。さまざまな音響整備もしてくれた」と謝意を示した。

昨年の参院選では、比例区に立憲民主党公認で出馬したが惜敗。「全国を回って、まだまだ障がいのある人がいて、さまざまなものが欠けていると知った。今は社会が大分、バリアフリー化して住みやすくなりましたが、障がい当事者でなければ分からないさまざまな問題がある。ボトムアップして当事者の声が政治に届けば、世の中に変化が起こると思う」と話した。

参院選後は、次期国政選挙への出馬との見方もあったが、斉藤氏は「今の都議会には障がいのある当事者がいない。よりよい社会を作るためには当事者の存在が欠かせない。立憲民主党の都連の方から声をかけていただきました」と説明した。

同党の手塚仁雄東京都連合幹事長(53)は「多様性を大事にしたい。障がいをもたれるからの声を届けていきたい。北区議としてやっていた彼女しかいないと思いました」と、擁立の理由を述べた。