大阪府の吉村洋文知事(44)が29日、府庁で取材に応じ、政府が新型コロナウイルス対策を検討してきた専門家会議の議事録を作成していなかったとの報道に「議事録がないのは、とんでもない話。絶対に残さなければいけない」と批判した。

政府の専門家会議は国の方向性を決めている重要な会議だとし「最後に決めるのは総理、政府ですが、これまでの経緯をみていると、どう考えても専門家会議で出された意見を中心にして、最後は国が判断する場面が多い。現実的には、専門家会議が日本のかじ取りをしていることになっている」と話した。

政府による緊急事態宣言の発令や解除、国民への外出自粛、都道府県知事による事業者への休業要請など、すべてのベースとなるのが政府の専門家会議での議論となる。

吉村知事は「国の方向性を決めて、前へ進める。まさに国家としての根本的なことを決める、もとになる会議の議事録がないというのは、むちゃくちゃな話だと思う」と語気を強めた。

行政の情報公開について大阪府の新型コロナウイルスの対策本部会議はフルオープン形式になっていることを例にして「役所、行政がやっていることは府民のものというのが基本的な考え方です」とした上で「重要な会議はできるだけオープンにすべき、情報公開請求があればどんどんオープンにしていくのが役所としては健全」と持論を主張し、国の専門家会議について「専門家会議の情報ではなく、国民の情報だと思う」と話した。