新型コロナウイルスの感染拡大をめぐる緊急事態宣言の解除を受け、スポーツのスクールなどは再開へ動きだしているが、長引いた営業自粛から「競技離れ」への懸念も消えない。

女子テニスの大坂なおみ(22)ゆかりのITC靱テニスセンターを使用する大阪市の「モリタテニススクール靱」は、休業期間に会員約1000人のうち100人程度の休会申し出があったと明かした。

同スクールは、3月中旬ごろから営業を自粛。6月2日に再開予定だが、支配人の多田弘美さんは「もし感染者が出たら(再び)全部クローズ。(第2波は)ないことを祈ってます」と不安をにじませている。

同スクールが使用するITC靱テニスセンターは、大坂が幼少期に訪れた場所として注目された。同施設には、体操教室やカポエイラ教室もあるが、場所が地下で、換気の都合で再開時期は未定。テニスは屋外であり、消毒や、発熱有無の確認などを徹底し再開するが、利用者間の握手を禁止するなどの対策もとる。

また、近くのトレーニングジム「ボディメイクプラスワン」は75%も会員が減少したという。同ジムはトレーナーとのマンツーマン・レッスンで、不特定多数の人が密集することはない。だが、府外など遠方からの利用者もおり、移動による感染リスクを懸念しているようだ。現在は予約の合間に15分の消毒時間を設け、4月の収益は前年同期比で半分程度。代表の義田貴伺さんはオンラインでのトレーニングを模索し「新しくビジネスを構築していく」と話した。【南谷竜則】