将棋の最年少タイトル挑戦者、藤井聡太七段（17）が10日、関西将棋会館で王座戦2次予選決勝で大橋貴洸六段（27）と対戦した。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、約2カ月、延期されていた対局となる。勝者が挑戦者決定トーナメント本戦に進出。1回戦で斎藤慎太郎八段（27）と対戦する。

藤井は8日に史上最年少挑戦者として第91期棋聖戦5番勝負第1局に挑み、10時間に及ぶ熱戦を制し、タイトル初挑戦で初陣を飾ったばかり。舞台を東京から大阪に移し、中1日での対局となる。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が出され、愛知県在住の藤井は長距離移動を伴う東京、大阪での対局ができなくなっていた。移動制限が解除され、本対局が10日間で早くも4局目となった。今月は9局が確定しており、過密日程との戦いとなる。

藤井と大橋と16年10月に四段に昇段した同期。両者の過去の対戦成績は2勝2敗の五分。同期のライバル対決となる。藤井が勝てば、公式戦11連勝となり、2つ目のタイトル挑戦にマジック4となる。

振り駒の結果、歩が3枚出て、藤井が先手となった。午前10時、お互いに深々と一礼し、対局が始まった。先手の藤井は7六歩と角道を開けた。大橋も同様に角道を開けた。

持ち時間は各5時間。夜には決着する見込み。【松浦隆司】