東京スカイツリーに隣接する、すみだ水族館(東京都墨田区)が13日、15日の営業再開に向けて来場者の一定距離を取る対策として作製した、展示されている生き物をイラストにしたラバーマットを券売所前に設置する準備に追われた。

約2メートルの社会的距離(ソーシャルディスタンス)が生き物だと「何匹分」かを示すイラストになっており、マゼランペンギンなら3匹、チンアナゴなら7匹、ミズクラゲなら10匹が並んでいる。

すみだ水族館の広報担当の鷲田侑香さんは「スリーペンギンズディスタンスです。距離を保つ印が普通のテープだけでは味気ないし、新型コロナウイルス対策について文字化するとお説教みたいになるので、館内の生き物の大きさで2メートルという長さを覚えていただきたい」と話した。

マゼランペンギンのフジが3月10日に産卵して4月21日にふ化、今年初めてお産をしたバナナの2つの卵が同23、27日に無事にひなにかえったことで、8年連続でマゼランペンギンの赤ちゃんが誕生した。ラバーマットのマゼランペンギンのイラストは、新型コロナウイルス拡散防止のための休業期間中に生まれたこの3匹が「すくすく育つように」との願掛けも込められているという。

ラバーマットはその他にアカクラゲ(1匹分)、シロワニ(サメ=0・8匹分)、オットセイ(1・3匹分)も描かれている。

ラバーマットは生き物の実寸ではなく、全体で幅1・2メートルで縮尺されている。

館内では「水のゆらめきを表現した水紋」「ペンギンの水かき型の足跡」などを各所の床に貼付し、その上にとどまることで自然と距離を保てる配置になっている。

来場者には入館時にサーモグラフィーカメラによる検温を実施する。ペンギンやオットセイが検温する様子の写真を展示して「館内の生き物も検温しますよ」という身近に感じさせる工夫もなされている。

すみだ水族館では、新型コロナウイルスの感染拡散の防止対策として3月1日から臨時休業していた。営業再開後も当面は、1時間で500人の入場制限をしながら整理券を配布する。